築地朝塾 第6期 レポート

2019/03/01

アクアでは、社会貢献活動の熱い思いで設立された「築地朝塾」の趣旨に賛同し、セミナールームを無償で塾舎として提供しております。

築地朝塾のご紹介

築地朝塾が開講された日

2015年秋、「次世代へ」をコンセプトにBS-TBS取締役会長・平本和生氏が築地朝塾を設立されました。
きっかけをつかめない若者に、超一流の方のお話を近くで聞いて、きっかけになって欲しい。多様性のある社会人を育てたいという思いから開講されました。

講師は、政治、経済、外交、文化など様々な分野で多方面に活躍され、今もなお挑戦し続けていらっしゃる方々ばかりです。

「生の声が聴ける」のも特徴
この時、この空間でしか聴くことのできないお話やネット・本では得ることのできない情報を、毎回、近い距離で聴くことができます。
本物の迫力を感じる刺激的な時間には、未来への期待が込められています。
朝7:00という早い時間から自分を高めたいという意欲のある人たちが参加されています。

築地朝塾第6期(2018年春 4月~6月まで11回)が無事終了いたしました。
塾の運営委員も務めている私から、第6期を通して学んだことを一部ご紹介させていただきます。

講演テーマ「全開!五感で生きるハイテク時代」

第56回
講師:福田 淳 氏
株式会社ソニー・デジタルエンタテインメント創業者 初代社長/顧問/ブランドコンサルタント

講師略歴
1965年、大阪府生まれ。88年3月 日本大芸術学部卒。衛星放送「アニマックス」「AXN」 などの立ち上げに関わったのち、2007年にソニー・デジタルエンタテインメント創業・初代社長に就任。17年、ブランドコンサルタントとして独立。新しい世界を切り開くリーダーとして、カルティエ提供の「チェンジメーカー・ オブ・ザ・イヤー2016」を受賞。(築地朝塾新聞より引用)

「今はどういう時代なのか」をよく考える

長く経営に携わっていらっしゃる福田さんは、「先のことはわからないので、ポテンシャルがあると説明するときに、現代を知らないと説明はできない」と考えられていたそうです。
今を知らないでいると時代に取り残され、必要のないところに労力を費やしてしまうと思いました。今を知ることは、本当に大事だと痛感した次第です。

直感が一番大事

「『五感をフルに使って人生を楽しむしかない』というのは大前提の結論だ」という
福田さんの言葉も印象的でした。人生をどう楽しむか?時間をどう使うのか?それは確かに人間一人一人、自分にしか決められないことです。「直感」の大事さについて改めてかんがえさせられた講演でした。

講演テーマ「ゴルフが上手くなりたいですか?ゴルファーになりたいですか?」

第58回
講師:倉本 昌弘 氏
公益社団法人 日本プロゴルフ協会 会長

講師略歴
1955年9月、広島県生まれ。日本大学時代に日本学生ゴルフ選手権4連覇。81年プロテストに合格し、PGA入会。プロデビュー戦で優勝、ツアー競技で4勝し賞金ランク2位。92年に25 勝目をあげて永久シード獲得。通算43勝。ゴルフ界改革に取り組み97年「PGAツアー・オブ・ジャパン」を発足させ、99年「日本ゴルフツアー機構(JGTO)」を立ち上げる。2014年から日本プロゴルフ協会会長。(築地朝塾新聞より引用)

ゴルフの本質

倉本さんのお話でまず印象に残っている言葉は、「他のスポーツにあってゴルフにはないものがある。それは審判です」というフレーズです。
「審判がいないということは、すべて自分が責任をもってジャッジしなければならない。知りませんでしたでは済まない」つまりゴルファーは自分に厳しくなければならないことをまず私たちに伝えてくださいました。

そしてもう一つゴルフの精神の中で大事なことは、「自分がプレーした痕跡を残さないこと」
それは、次のプレイヤーのことを思いやる精神ということです。
以上の2点を踏まえ、倉本さんは、ゴルフを通して正しい精神を身に付けることができるという信念の下、ゴルフ人口を増やす活動も精力的に取り組まれているとのことでした。

ゴルフとは

ゴルフでは、襟のある服を着てプレーすることがマナーということは有名ですが、「襟の無い服というのは下着」と表現されていることに驚いたと同時に納得感もありました。
全く見知らぬ人たちと共有する時間には、最低限のマナーを守ること。それは、スポーツだけに限られたことではないので大事にしたいものです。
倉本さんは、講演テーマの問いかけにもありました通り、ゴルフは紳士なスポーツであり、技術にも増して人として優れていなければならないという持論をお持ちの方でした。

講演テーマ「なぜ ふるさと納税?」

第59回
講師:須永 珠代 氏
株式会社トラストバンク 代表取締役(ふるさと納税)

講師略歴
群馬県伊勢崎市生まれ。2012年に「トラストバンク」社を設立。同年秋、ふるさと納税にかかわるサービスで地方自治体と納税者との間を取り持ち、納税代行サービスを行う総合サイト「ふるさとチョイス」を立ち上げる。契約自治体は全1788自治体の7割を超える。返礼品は15万点以上を扱い、業界最大。最近は災害の復興支援などを目的とした寄付金に使う自治体も少なくない。(築地朝塾新聞からの引用)

株式会社トラストバンク

須永さんはこれまで様々な職業を経験され、30代で起業することだけを決めていたそうです。
「仕事をいただけるのは、信頼。信頼を蓄積するという意味で社名をトラストバンク」
現在の社名の由来からも信念を持って経営されていることが伝わり、今もぶれることなく貫かれている姿勢に敬服しました。

正式名称は「ふるさと寄付金」

表題にもある「ふるさと納税」は、働いて税金を納める歳になると、これまで育ってきた地域ではないところへ税金を納めることになります。そこで、今までお世話になった地域に対してできることはないかと恩返しをしたい気持ちから、地域に税金を納める仕組み作りにつながった素晴らしい発想であるということが伝わりました。

地域や人のためになる展開

ふるさと納税によって首都圏に集まっているお金が地方に動き、地方からは品物が送られてきます。最近では、ふるさと納税を通じて人の移動も生まれ、産業振興にもなり、被災自治体へ直接災害支援ができるところまで広がっているそうです。
熊本県には1億円の災害見舞が、文京区には子どもの貧困層対策として行っている「宅食を届ける」という仕組みへの資金が、ふるさと納税によって集められています。

信念を持ってぶれることなく、地域社会のためになることを続けられている須永さんのお話は、これから先、何十年も働くことになる私にとって多くのことを考えさせられる貴重な時間となりました。

講演テーマ「純」より「雑」人間の創造活動の源

第60回
講師:外山 滋比古 氏
英文学者/文学博士/評論家/エッセイスト

講師略歴
1923年、愛知県生まれ。東京文理大(現・筑波大)英文学科卒業後、同大学特別研修生修了。文学博士、51年より、雑誌「英語青年」(現・web英語青年)編集長となる。東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授を務め、89年、同大名誉教授、昭和女子大教授。専門の英文学、思考、日本語論の分野で活躍を続ける。主な著書に「思考の整理学」(ちくま文庫)、「日本語の作法」(新潮文庫)など。

外山先生は、様々な分野での著書を執筆されている方ですが、特に『思考の整理学』 は、31年間で218万部突破という驚異的な数字を残し、東大生、京大生に最も読まれている文庫本です。

おしゃべり

外山先生曰く、知恵をつくるのには、おしゃべりの力が非常に大きいそうです。
自分とは違う職業の人が少人数で集まり、定期的におしゃべりをすることで、偶然力を伸ばし、新しい知識、新しい世界が生まれるということを何度も繰り返しお話されていました。

1つでは多すぎる

1つでは多すぎるという意味は、「1つだと失敗した時にゼロになる、少なくても2つ必要。ひとつのことに集中し過ぎずに、別のことに取り組むなかで良い結果をもたらすことがある」ということを教えてくださいました。
そして、「自分の力で、人間の能力を高める努力をすること。自分で考える力を身につけることが大事である」。この2点が人工知能に負けない生き方、人工知能と仲良く共存することに繋がることを、これからの私たちに残してくださいました。

私たちもまずは、身近なところで【おしゃべり会】を作ることが、新しい世界をつくるための第一歩になると確信しました。

講演テーマ「長期の視点とビジネス ― 例えば気候変動について」

第62回
講師: 玉木 林太郎氏
元財務省 国際局長/元財務官/元経済協力開発機構(OECD)事務次長公益財団法人 国際金融情報センター 理事長

講師略歴
1953年11月生まれ、東京都出身。76年東京大法学部卒業、大蔵省入省。証券局、主計局、国際金融局、財務官室長、世界銀行理事代理などを経て2002年7月~ 05年7月 在米日本大使館公使。大臣官房審議官、国際局長、財務官を歴任し、11年8月財務省退官。11年8月~ 17年7月OECD事務次長。17年10月公益財団法人国際金融情報センター理事長就任、現在に至る。(築地朝塾新聞 引用)

世界を変えていくもの《例えば気候変動は我々の社会・経済をどう変えるだろうか?》

今、世界で、日本で何が起こっているのか、「気候変動と我々のこれからの生活」というテーマで、玉木さんには分かりやすくお話していただきました。

「日々、様々なことが起きるが、2018年の地点に立ってみると、世界の社会構造を変えていく大きなうねりの中に、我々がいることは間違いない。世界はどんどん変わろうとしている」
少子高齢化、脱炭素など、避けられない課題が目の前にいくつかあることを、過去の歴史をさかのぼり、未来に向けてこれから何をするべきなのか、意識することの大切さを教えてくださいました。

「これからの日本の社会を引っ張っていくみなさんは、人生の様々なフェーズで判断をする時に、必ずこういう転換が発生するのだということを頭に入れておいてほしい」と講演を締めくくってくださいました。

講演テーマ「照明デザインと照明探偵団」

第63回
講師:面出 薫 氏
築照明デザイナー/照明探偵団 団長/株式会社ライティング プランナーズ アソシエーツ代表取締役

講師略歴
1950年6月、東京都生まれ。東京藝術大美術学部卒業。男性東京国際フォーラム、JR京都駅、六本木ヒルズ、シンガポール中心市街地照明マスタープラン、JR東京駅丸の内駅舎ライトアップなどの照明計画を担当。著書に『世界照明探偵団』鹿島出版会、『陰影のデザイン』六耀社、『LPA 1990-2015 建築照明デザインの潮流』六耀社など。照明文化研究会「照明探偵団」の団長。(築地朝塾新聞 引用)

まず、塾舎である会場の照明を調整するところから講演がはじまりました。

40年余りされてきた照明デザイナーの仕事について、どのように仕事をされているのか、
「照明とはどういうことなのか」ということをわかりやすくお話いただき、私たちにインパクトを与えてくださいました。

建築照明デザイン

面出さんが担当された数多くの有名な建物の照明のお話の中で、一番印象に残ったお話が、シンガポール政府から招かれ、30年後のシンガポールの夜景をきちんと考えようと始まったプロジェクトのことでした。
照明のマスタープランを作成されて以来、都市照明に取り組まれ、東京駅のライトアップや東日本大震災の復興支援プロジェクトにも従事されたそうです。
面出さんはお話の中で、照明が集中力、リラックス効果、人の感情や緊張度、心理的要素に関わることも伝えてくださいました。
照明は、人を美しく見せるなど、空間演出をするだけではなく、例えば食においても、和と洋それぞれに合う照明があり、「最初は、あかりで食べる」と表現されていました。

「照明探偵団」について

「楽しんで街歩きをし、街の中にある良いあかりは大げさに感動し、光の害には憤慨する。
みんなで考え、語れるように、冷静に推理、観察する」、「あかりに対する文化的レベルを高め、もっと見えてくるものを増やす」という目的から取り組みから始められたそうです。

照明探偵団が、現在まで28年続き、世界にまで広がっていることからも、このコンセプトがしっかりしている証だと思いました。
講演後、自然とあかりを意識するようになったことは、自分の中でも面白い変化です。

講演テーマ「核なき世界に向けて」

第65回
講師:川崎 哲 氏
核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)国際運営委員/ノーベル平和賞受賞

講師略歴
1968年生まれ、東京都出身。東京大卒。2003年にNGO「ピースボート」に入り、現在は共同代表。08年から被爆者と世界を回る「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」を実施。2017年のノーベル平和賞を受賞した「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」の日本人唯一の運営委員として授賞式にはヒバクシャと一緒に出席。1月、フィンICAN事務局長が来日した時は各地を一緒に回った。(築地朝塾新聞 引用)

ノーベル平和賞を受賞された川崎様に密着取材

講演時、川崎さんは、NHK長崎からの密着取材が入っており、「長崎では、原爆について語る機会が多いが、東京では数少ない」と、塾で何を語るのか注目が集まっていました。

「昨年7月に核兵器禁止条約は採択。122カ国が賛成。世界の多数派は「核兵器は完全にいらない」と宣言したが、日本政府は、「核兵器はまだ必要だ」という立場であることをきちんと認識していただきたい」と、使命感を持って核廃止について語る川崎さんの姿が印象的でした。川崎さんは、「ゼロにしていくという本質的なことに、どうやって近づけていくかが大事で、漠然と核廃止について訴えるのではなく目標を定めゴールに向って逆算しながらひとつひとつ成し遂げることを積み重ねて現実化してきた」ということをお話してくださいました。

この問題については、もっと身近に自分ごと化して捉えられているかによって、受け止め方が変わるはずです。まずは、自分の意見を持つことが大事だと痛感しました。

まとめ

築地朝塾を支援している会社として塾舎の提供だけではなく、築地朝塾で発信、学んだことを築地という地に貢献や活性化につながる取り組みをしていきたいと考えております。
ご覧くださった皆様、ありがとうございました。

アクア 築地朝塾運営委員 冨士絢子

       

Topics:築地朝塾

       
冨士絢子
written by 冨士絢子