築地朝塾 第7期 レポート

2019/03/08

アクアでは、社会貢献活動の熱い思いで設立された「築地朝塾」の趣旨に賛同し、セミナールームを無償で塾舎として提供しております。

築地朝塾のご紹介

築地朝塾が開講された日

2015年秋、「次世代へ」をコンセプトにBS-TBS取締役会長・平本和生氏が築地朝塾を設立されました。
きっかけをつかめない若者に、超一流の方のお話を近くで聞いて、きっかけになって欲しい。多様性のある社会人を育てたいという思いから開講されました。

講師は、政治、経済、外交、文化など様々な分野で多方面に活躍され、今もなお挑戦し続けていらっしゃる方々ばかりです。

「生の声が聴ける」のも特徴
この時、この空間でしか聴くことのできないお話やネット・本では得ることのできない情報を、毎回、近い距離で聴くことができます。
本物の迫力を感じる刺激的な時間には、未来への期待が込められています。
朝7:00という早い時間から自分を高めたいという意欲のある人たちが参加されています。

築地朝塾第7期(2018年秋 9月~11月まで11回)が無事終了いたしました。
塾の運営委員も務めている私から、第7期を通して学んだことを一部ご紹介させていただきます。

講演テーマ「時代の変化に対応する戦略」

第67回
講師:山本 良一 氏
J.フロント リテイリング株式会社 代表執行役社長

講師略歴
1951年横浜市生まれ。 73年3月明治大商学部卒、 4月大丸入社。 2003年同社代表取締役社長兼最高執行責任者兼グループ本社百貨店事業本部長事務管掌。07年大丸と松坂屋の経営統合に伴い設立された持ち株会社のJ.フロントリティリング取締役。10年大丸松坂屋百貨店代表取締役社長。13年J.フロントリテイリング代表取締役社長、 17年同社取締役兼代表執行役社長、現在に至る。(築地朝塾新聞より引用)

デパートの安心・信頼・顧客

今は、物が売れない時代と言われていますが、デパートは、安心、信頼があり、私もよく買い物をします。
デパートで蓄積した顧客との信頼、コミュニケーションを別の形でも活かしている手法・発想には、これからも未知なるマーケットに繋がる可能性があると感じました。
デパート業界も地域に合わせたコンセプト作りや商品を魅力的に販売することだけではなく、顧客との繋がり、信頼の実績を、別の形で提案・貢献する手法を次々に行っている話になるほどと思いました。

最初の一ミリ

山本さんの「変革というのは、最初の1ミリが大事だ」という言葉は印象に残っています。
「大きな岩を動かすためには、最初の1ミリが動けば、あとは勝手に転がっていく。最初の1ミリが動かないと改革は止まってしまう」というのが胸に刻まれました。
一歩ではなく、まずは1ミリから。
自主的、自発的な行動をおこす背中を押してくれる言葉でした。
1ミリを自発的に動かす行動力と思考力を持たねばと思いました。

講演テーマ「作り方を作る」

第68回
講師:佐藤 雅彦 氏
東京藝術大大学院 映像研究科教授

講師略歴
専門は教育方法、表現方法。主な著書は「経済ってそういうことだったのか会議」、「新しい分かり方」他。また、playstation’.ノフト「I.Q」や、慶應大学佐藤研究室で始めたTV番組「ピタゴラスイッチ等、分野を超えた活動も。 2012年芸術選奨文部科学大臣賞受賞、13年紫綬褒章受章。 14年・18年カンヌ国際映画祭短編部門公式招待。(築地朝塾新聞より引用)

見たことがある印象に残っているCMが次々と披露されました。サントリーのモルツ、湖池屋のスコーン、ネスレのミロなど、放映から何十年も経った今でも覚えていて口ずさむCMです。

作り方を作ろう

ある時、「作り方を作ろう」という意識を持った佐藤さんは、「何かを表現する時に、いきなり表現に入るのではなく、まず作り方から考える」という意識を持ち、「作り方が新しければ、自ずと出来たものは新しい」という信念が生まれました。その信念から作られたCMが佐藤さん流です。

CMができるまで

自分の好きなCMを集めて分析・研究し、「映像は音が大事だ」という気づきから音と映像がシンクロすると強いことを発見されました。私たちは、そこにクライアントの要望を合わせて完成されたCMを当たり前のように見ていたのでした。佐藤さんのCMは、佐藤さんがクライアントと同じくらい商品のことを好きになり、良さをストレートに伝えるので、商品名が何度も連呼されるのも特徴の一つです。
音と映像で表現しながら人の心理要素を取り入れ印象づける作り方によって、自然に見ていたCMでも印象に残り、思わず何度も口ずさんでしまうのと同時に口ずさみながら映像も浮かんできます。

佐藤さんの独自の世界観で、音と映像と商品名の3つを合わせて作るCMが生まれるまでのお話を聴けたことは、非常に面白かったです。
リハーサルも入念にされ、音、映像、照明にもギリギリまでこだわり、どんな時でも完璧をめざされる情熱も素晴らしかったです。
まさに佐藤ワールドでした。
佐藤さんは最後に私たちに「自分の作り方で何か作ってください」と言い残してくださいました。

講演テーマ「夢持ち続け日々精進」

第72回
講師:講師:髙田 明 氏
株式会社ジャパネットたかた 創業者/株式会社 A and Live 代表取締役

講師略歴
1948年長崎県生まれ。 71年大阪経済大学卒。74年父のカメラ店へ入社し、 86年に「(株)たかた」として独立。 90年にラジオショッピングを行ったのを機に全国にネットワークを広げ、テレビ、チラシ・カタログ、インターネットなどで通販事業を展開。 2015年「ジャバネットたかた」代表退任、「(樹 Aand Live」を設立。17年プロサッカークラブ「V・ ファーレン長崎」の社長。主な著書に「高田明と読む世阿弥」など。(築地朝塾新聞より引用)

あまり先を考えないのが髙田さんの人生であり、「先を考えたら駄目ですよ」というのが今日のテーマ、という切り口で始まりました。

今を一生懸命に生きる

目の前のことをまずは一生懸命にやる。
「明日でなく今日を変えること。明日を変えずして1年後、その先の未来は絶対に変わらない」この言葉は、すぐに実践できることです。仕事、健康、プライベート全てに言えることだと深く頷きました。

つもりの怖さ

「頑張っているつもり、学んでいるつもりで過ぎていっていないか」を問う髙田さんの言葉には、ドキッとさせられました。
「つもり」の中に生きていたら、思うとおりの自分になっていかないことを教えてくださいました。

専門性と多様性のつながり

ひとつのことを一生懸命極め、専門性を追及していくとその先で多様性と必ず出会うのだそうです。
ひとつのことを極めるまでやり続けることは、無限の可能性につながることがわかりました。
髙田さんからは、専門性を続ける中に多様性が生まれ、自分の人間性も広くなっていくということを伝えていただきました。

自分の中の一流を目指す

「学歴は関係ない。格差があるとか人口が少ないとかそういうことを理由にしていたら負け。周りや環境のせいにせずにやることが良い結果を生み良い発想が生まれる」ということを教えてくださいました。そして、「人や世の中が決める一流ではなく、自分の中の一流を目指す」ということは想像もしなかった言葉でした。
自分が思う一流とは何かを考え、見つめなおす機会になりました。

失敗の概念

「私は、失敗したことがない」。そう言い切る髙田さんの失敗の定義は、「やらなかったこと」。もうひとつは、「やったけども今を一生懸命やらなかったこと」だそうです。
この言葉で、まずやってみること、失敗を恐れないで行動することを優先できます。
いつも常に何かの時に判断の基準にして前に向かってエネルギーを出すようにしています。

ミッションとパッション

「成功とは、お金や名声ではない」と言い切る髙田さんは、「人は人のために生きてこそ人」、
「企業の成長も自分の成長も、人の幸せのためにしていることで自分の幸せを勝ち取ることが出来る。ミッションなくして企業の100年構想は成り立たない」ことを教えてくださいました。
また、情熱を持って生きることは大事であり、情熱は人を動かすことを伝えられました。
「初心忘るべからず」という世阿弥の言葉の初心とは、老後まで続く。そして初心というのは形を変えながら永遠に続いていく。だから何歳から始めても恐れることはないそうです。

髙田氏の人生

「人生、80年と考えるのではなく、100歳よりもっと長く生きると思うと、考え方や行動範囲が広がる」という髙田さんの発想は、素晴らしいと思いました。
「夢というのは幾つになっても形を変えながらもち続けるべき。だからこそ人生が楽しい。
常に前向きに物事を捉え生きる」、髙田さんがそれを証明されていると思いました。

そして、どれだけ頑張ってもどうしようもないことがある。どうしようもできないことにあまり力を注がないようにすることも伝えてくださいました。
髙田さんのお話をお聴きして毎日が楽しみになりました。
いいわけをせずに、失敗を恐れずに、情熱を持ち続けながら一生懸命行動しないと、何も成し遂げられず人生がもったいないと感じました。

講演テーマ「ミッションを考える」

第74回
講師:片山 善博 氏
早稲田大学公共経営大学院教授/元鳥取県知事

講師略歴
1951年岡山市生まれ。 74年東京大法学部卒、自治省入省。能代税務署長、自治省固定姿産税課長などを経て、 99年鳥取県知事 (2期)。 2007年4月慶應大教授。 10年9月 ~11年9月総務相。17年4月から早稲田大大学院教授。「活字文化推進会議」委員なども務める。主な著書に「地方自治と図書館」(共著勁草書房、 16年)、「民主主義を立て直す 日本を診る 2」(岩波書店、 15年)など。TBS「時事放談」にも出演。(築地朝塾新聞からの引用)

本質から外れないようにすることが大事

ミッションという言葉は、仕事場でもよく出てくる言葉です。
ミッションは、誰のために何の目的でやるのかの先にあり、それをミッションとして掲げるものだということが、片山氏の話からもよくわかります。
本質的なところに向き合わないでミッションを立てるとどんどんずれていていくし、最初のミッションから時間が経つと気付かないうちに違うことがミッションに変わってしまっていることもあると思います。
そしてそれにも気付かないこともあれば、修正しないこともあります。

本質とはなにかを確認すこと

片山さんからお話いただいた「ミッションを考える」は、「誰のために」「何のために」の
本質一本でした。
それを実際に起きたことを交えながら教えてくださいました。とてもわかりやすかったです。考えさせられました。

講演後は、「ミッションを考える」という言葉が何かを判断する時、本質からずれていないかを常に確認することができるものさしになっています。
定期的にこの言葉に立ち返り、本質からずれていないのかを確認することはとても必要だと思いました。

講演テーマ「城巡りと仕事」

第75回
講師: 岡本 圀衛 氏
日本生命保険相互会社 取締役相談役

講師略歴
1944年生まれ。埼玉県出身。東大法学部卒。69年に日本生命保険入社。広報部長、財務企画部長などを経て2005年社長就任、 13年会長、18年から相談役。趣味は全国各地に残る「城巡り」。天守閣が残る近世城郭だけでなく古代、中世の城も訪れ、 6月現在で711城を踏破。「目標は1,000城。地域の人と仲良くなれるし、健康維持にも。高齢化時代に適した趣味です」と話す。(築地朝塾新聞からの引用)

趣味からのつながり

岡本さんは、自分の好きな城巡りを通して、仕事とは別の人とのつながりや出会いがあること、会話が生まれコミュニケーションに活かせること、また歴史だけではなく地域のこと、そこに住む人のこともわかること、それがまた仕事につながることもあると実体験をお話してくださいました。

自分ためになっていないか

「自分たちの目線で物事を判断し考えていないか」の言葉には、思い浮かぶことがありました。仕事をしているとお客様のためがいつしか自分たちのため、自分たちのやりやすいように、自分たちの物差しで進めてしまうことが多かれ少なかれあると思います。
岡本さんの「会社のルールを一旦忘れ、世の中のルールはどうなっているのか、どんな声があるのかというのを聞いて、それに合わせる」ということは本当に大切なことだと実感しました。
本当の意味で相手の立場に立って考えるということが重要で、必ず確認することをおこなったほうがいいことだと思いました。

自分をもつことの大切さ

また、会社の組織の中間層を中心層と表現され、コミュニケーションも含めて岡本さんが大切にされている、流されないで自分の考えを持つこと、どんな障害があっても自分の心から思っていることを大切にすること、純粋さを持ち続けること、まっすぐ伸びることを恐れない強さを持つことを教えていただきました。
それは、大変だったり困難だったりすると思いますが大切にもちつづけたいことばかりでした。

講演テーマ「叛逆を伝統に」(はんぎゃく)

第77回
講師:道場 六三郎 氏
料理人/フジテレビ「料理の鉄人」初代 和の鉄人/銀座ろくさん亭・懐食 みちば 主人

講師略歴
1931年石川県山中温泉生まれ。 19歳で料理人を志し、銀座、神戸、金沢で修業。 59年「赤坂常盤家」チーフ、 71年銀座「ろくさん亭」を開店。93年フジテレビ「料理の鉄人」初代「和の鉄人」。2000年「懐食みちば」開店。 05年「現代の名エ」。07年旭日小綬章を受章。11年、 80歳から自分の中の旬を見つめる「道場旬皿」に取り組む。(築地朝塾新聞 引用)

和の巨匠の道場さんも満88歳の米寿。今も調理場に立ち、献立を考案され、挑戦し続けています。そんな道場氏は、19歳で料理人を志してから料理人人生60年。
テレビ番組「料理の鉄人」は、今でも記憶に残っています。
日本一こだわりのない男と表現されるほど、過去にも捉われることなく、常に新しいものを追い求める探究心と旬を追い求める生き方は、次の世代の私たちに強烈なメッセージを届けていただきました。

捉われない証となるエピソード

道場さんがこれまでの料理のレシピを全部燃やしたのは、80歳の時でした。この行為は、料理人にとってこれまで培ってきたものを全部捨てることを意味しています。
同じ料理人からは考えられない出来事だそうですが、道場さんにとっては、新しいものを生み出すのに必要ないと簡単に手放したそうです。

勝ち負けにこだわるのではなく「無心」。
評価を決めるのは、審査委員であり、お客様。80歳の時の料理対決で若手の料理人に勝ったのは、せっかくだから面白いことをしようという道場さんの発想でした。
人を楽しませようとする心が道場さんを前へ前へとより良い方向へ進めているのだと感じました。

常にお客様目線を大事にする

調理場もいつも隅々まで綺麗にされ、神経を細部にまで行き届かしている。これは料理をするうえでだけでなく、お客様から見える目線も大切にされているからです。
いつも綺麗に美しく見えるように気を配ることを徹底され、それが身についている道場さんは、姿勢も真っ直ぐで志と一緒だと感じました。爪の先まで美しかったです。

大事にしていること

小さな勇気、小さな幸せ、ときめきを大事にしていると、実際のエピソードを交えて教えてくださいました。
そのような生き方をされているからこそ、目がキラキラと輝いていたのも印象に残っています。

研ぎ澄まされた存在感と佇まい。言葉の重み。謙虚で朗らかなお人柄は、スケールの大きさを感じました。
沢山、言葉の宝物を伝えていただきましたが、長くなるのでこの辺りにします。

平本塾長

今期は、平本塾長も登壇しました。
こ人との出会い・組織・キャリア・海外での経験など、時系列でお話してくださいました。そのなかで、「肩書きに振り回されない、デジタルでもアナログ人間になれ、もう1回原点に戻れ。そこをないがしろにしてデジタル、デジタルと言って大手を振っていると人間性がどんどん失われていく。地位は人を裸にする。地位が人を育てるのではない」という話がありました。
築地朝塾に辿り着いたことについても教えてくださいました。

第7期も多くの学びと経験があり、経営学、本質、発想、視点、行動力、継続の力、生きかたを教えていただきました。
定期的に参加させていただいているアクア社員にとっても、成長に繋がり、実際に学んだことをチームや数字に活かして行動しております。

築地朝塾を支援している会社として塾舎の提供だけではなく、築地朝塾で学ばせていただいたことを行動・実行し、活かすようにしたいです。
ご覧くださった皆様、ありがとうございました。

アクア 築地朝塾運営委員 冨士絢子

       

Topics:築地朝塾

       
冨士絢子
written by 冨士絢子